ライティングのフレームワークを調べ始めると、PREP法やSDS法、PASONAの法則と、名前が次々に出てきます。一つひとつの意味は分かるのに、いざ書こうとすると手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。止まる原因は、型を知らないことではありません。どの型をどこで使うかが決まっていないからです。
この記事では、ライティングのフレームワーク15個を目的別に3つへ分け、例文つきで紹介します。私はこれまでにWeb集客の記事を600本以上書き、ライティング講座で延べ1,000人ほどに指導してきました。先に申し上げると、15個を全部覚える必要はありません。実務で残ったのは、記事の見出しの中身に使うPREP法と、リード文やLPに使うPASONAの法則の2つだけでした。なお、見出しそのものの並べ方はSEO記事の構成の作り方でまとめています。この記事が扱うのは、1つの見出しの中身をどう並べるかです。
ライティングのフレームワークとは
ライティングのフレームワークとは、文章を書く順番をあらかじめ決めた型です。何をどの順で書くかが先に決まっているため、書き出しで迷う時間が減ります。読み手にとっても、話の展開が予測できる分だけ理解が速くなります。
前提として、Webの文章は最初から最後まで読まれることがほとんどありません。アメリカのUX調査機関、Nielsen Norman Groupがページの滞在時間と文字数の関係を分析したところ、平均的な訪問で実際に読まれるのは、ページに書かれた文章の2割ほどだと報告されています。出典:Nielsen Norman Group「How Little Do Users Read?」(2008年)
つまり読者は、8割を読み飛ばしながら、必要な所だけを拾っています。だからこそ、要点の置き場所を先に決めておく型の出番です。順番が決まっていれば、拾い読みされても要点だけは相手に届きます。
ライティングのフレームワーク15選
15個を、目的で3つに分けて整理しました。論理を通す型が5つ、読者を動かす型が7つ、情報を並べる型が3つです。名前を先に覚える必要はありません。これから書く文章が3つのどれにあたるかを決めれば、候補は5つ以下まで絞れます。

| 分類 | フレームワーク | 並べる順番 | 向いている文章 |
|---|---|---|---|
| 論理を通す | PREP法 | 結論→理由→具体例→結論 | 記事の見出しの中身 |
| 論理を通す | SDS法 | 要点→詳細→要点 | 社内の報告やお知らせ |
| 論理を通す | ホールパート法 | 全体→部分→全体 | 説明が長くなる話 |
| 論理を通す | 三段構成 | 序論→本論→結論 | レポートや作文 |
| 論理を通す | DESC法 | 描写→説明→提案→選択 | 修正依頼や交渉 |
| 読者を動かす | PAS法 | 問題→あぶり出し→解決 | 短い広告やSNS投稿 |
| 読者を動かす | PASONAの法則 | 問題→親近感→解決策→提案→絞り込み→行動 | LPやセールスレター |
| 読者を動かす | AIDA | 注目→興味→欲求→行動 | バナー広告や記事末尾のCTA |
| 読者を動かす | AIDMA | 注目→興味→欲求→記憶→行動 | 検討期間の長い商材 |
| 読者を動かす | QUEST法 | 絞り込み→理解→教育→刺激→行動 | 長いセールスレター |
| 読者を動かす | FAB法 | 特徴→強み→得られる結果 | 商品ページや営業資料 |
| 読者を動かす | PASTOR法 | 問題→増幅→物語→変化→提案→反応 | 体験記から商品へつなぐ文章 |
| 情報を並べる | 逆三角形型 | 結論→詳細→補足 | プレスリリースやお知らせ |
| 情報を並べる | 列挙型 | 前置き→項目の並列 | まとめ記事や比較記事 |
| 情報を並べる | 時系列型 | 起きた順に並べる | 手順の解説や導入事例 |
論理を通すフレームワーク5つ
ここからの5つは、話の筋道を通すための型です。説得したいならPREP法、事実を短く共有したいならSDS法、修正を依頼したいならDESC法と、目的によって選ぶものが変わります。
1. PREP法
PREP法とは、結論、理由、具体例、結論の順に並べる型です。Point、Reason、Example、Pointの頭文字を取っています。記事の見出しの中身を書くなら、まずこれ1つで足ります。
読者は答えを早く知りたいからです。目次から気になる見出しへ飛んできた人に前置きから話すと、そのまま戻るボタンが押されます。結論を先に出し、なぜそう言えるのかを添え、実例で裏づけましょう。最後にもう一度結論へ戻すと、拾い読みでも要点が残ります。
例文
記事の見出しの中身は、結論から書いています。(結論)
読者は答えだけを探して拾い読みしているからです。(理由)
見出しを開いてすぐ答えが見当たらないと、そのまま離脱されます。(具体例)
だから、見出しの下は結論から始めています。(結論)
見出し直後に置く即答の作り方は、アンサーカプセルの作り方が参考になるはずです。
2. SDS法
SDS法とは、要点、詳細、要点の順に並べる型です。Summary、Details、Summaryの頭文字を取っています。PREP法との違いは、理由を挟まない点です。
事実をそのまま伝えたいときに向いています。社内の報告やお知らせ、ニュースがこれにあたります。相手を説得する必要がなく、短く正確に伝われば済む場面です。説得したいならPREP法、報告したいならSDS法と覚えておくと迷いません。
例文
来月からブログの更新を週2本に増やします。(要点)
現在は週1本で、企画から公開までを1人で回している状態です。来月からは企画と執筆を分担する体制へ変えます。(詳細)
そのため、来月以降は週2本でお届けします。(要点)
3. ホールパート法
ホールパート法とは、全体、部分、全体の順に話す型です。WholeとPartから来ています。最初に「今日は3つ話します」と数を宣言し、1つずつ説明し、最後にまとめ直す流れです。
説明が長くなるときほど効きます。聞き手は、あといくつ残っているかが分かると集中を保てるからです。プレゼンや研修で使われることが多いものの、Web記事でも扱えます。この記事の冒頭で一覧表を出したのも、ホールパート法の考え方からです。
例文
ライティングの型は、目的で3つに分かれます。(全体)
1つ目は論理を通す型、2つ目は読者を動かす型、3つ目は情報を並べる型です。(部分)
以上の3グループから、書く文章に合わせて選びます。(全体)
4. 三段構成
三段構成とは、序論、本論、結論の順に組み立てる型です。学校の作文や小論文で習う並べ方で、日本語の文章では古くから使われてきました。
ただしWebの記事とは相性がよくありません。序論から入ると、結論が最後まで出てこないからです。Webで使うなら、冒頭にも結論を置いた双括型へ組み替えると読みやすくなります。序論の前に一言で答えを置いてから、本論へ進みましょう。
例文
社内でブログを続ける体制について検討しました。(序論)
現在は1人で企画から公開まで担当しているため、月4本が限界です。企画と執筆を分ければ、同じ工数のまま月6本まで増やせます。(本論)
来月から2人体制へ切り替えることを提案します。(結論)
5. DESC法
DESC法とは、描写、説明、提案、選択の順に伝える型です。Describe、Explain、Specify、Chooseの頭文字を取っています。もともとは自己表現の訓練で使われてきた型で、対立しやすい場面でも相手を責めずに要望を伝えられます。
Web記事で使う場面はほとんどありません。使いどころは、修正依頼やクレーム対応のメールです。事実だけを描写してから自分の考えを述べ、代案を示して相手に選んでもらいます。感情を挟まずに済むのがこの型の持ち味です。
例文
納品予定日を3日過ぎています。(描写)
公開日が決まっているため、進行が読めないと不安です。(説明)
現在の進捗を今日中に共有いただけますか。(提案)
難しければ、公開日を1週間ずらす形でも構いません。(選択)
読者を動かすフレームワーク7つ
商品やサービスへ気持ちを動かすための型が7つあります。LPやセールスレター、広告で使われるものが中心です。どれも読者の心が動く順番をなぞって作られています。
6. PAS法
PAS法とは、問題、あぶり出し、解決の順に並べる型です。Problem、Agitation、Solutionの頭文字を取っています。要素が3つしかないため、短い広告文やSNS投稿で扱いやすい型です。
気をつけたいのは真ん中のAです。不安を煽る方向へ振ると、読者は離れていきます。あぶり出しは「脅す」ではなく「言語化する」と考えると外しません。本人が薄々感じている困りごとを、こちらが先に言葉にします。それだけで十分に届きます。
例文
ブログを続けているのに、問い合わせが増えない。(問題)
書いた本数だけが積み上がり、何が足りないのかも分からないままです。(あぶり出し)
足りないのは記事の量ではなく、キーワードの設計かもしれません。(解決)
7. PASONAの法則
PASONAの法則とは、問題、親近感、解決策、提案、絞り込み、行動の順に並べる型です。LPやセールスレターを作るときは、この型で構成の骨を組んでいます。
知っておきたいのは、中身が2016年に変わっている点です。神田昌典氏が1999年に公開した当初のPASONAは、2文字目がAgitation(あぶり立て)でした。煽る型だという誤解が広がったことを受け、2016年の著書で新しい形が示されています。2文字目はAffinity(親近感)に変わり、Offer(提案)が加わりました。出典:神田昌典『稼ぐ言葉の法則──「新・PASONAの法則」と売れる公式41』ダイヤモンド社、2016年
古い解説だけを見て煽る文章を書くと、読者の信頼を失います。今から使うなら新しいほうを選びましょう。
例文
書いても読まれない。(問題)
私も同じところで長く止まっていました。(親近感)
抜けていたのは、読者を1人に絞る作業でした。(解決策)
講座では、その絞り込みを初日に扱います。(提案)
各回20名までの受講枠です。(絞り込み)
空席はこちらのページから確認できます。(行動)
8. AIDA
AIDAとは、注目、興味、欲求、行動の4段階で読者の心の動きを追う型です。Attention、Interest、Desire、Actionの頭文字を取っています。バナー広告のように、短い文で行動まで運びたいときに使われます。
AIDAは書き方の型というより、読者の心理の並びです。だから他の型と重ねて使えます。記事の中で全体に当てはめると売り込み色が強くなるため、末尾のCTA周りだけAIDAの並びで組むと扱いやすくなります。
例文
構成づくりだけ、AIに任せてみる。(注目)
見出しの案出しは、AIが得意な作業です。(興味)
手が止まる時間が減り、執筆に集中できます。(欲求)
手順は無料の資料にまとめています。(行動)
9. AIDMA
AIDMAとは、AIDAに記憶(Memory)を足した5段階の型です。注目、興味、欲求、記憶、行動の順に並びます。広告を見てから買うまでに時間が空く商材を想定した並べ方です。
Webの文章で出番は多くありません。検索して読み、その場で申し込むまでが短い媒体だからです。紙のチラシや、検討期間の長い高額商材で見かける型と押さえておけば足ります。
例文
提案書の下書きに時間を取られていませんか。(注目)
AIに骨組みだけ作らせる方法があります。(興味)
書き出しで悩む時間がなくなります。(欲求)
手順は1枚の資料にまとめました。(記憶)
次に提案書を作るとき、その資料を開いてみてください。(行動)
10. QUEST法
QUEST法とは、絞り込み、理解、教育、刺激、行動の順に進める型です。Qualify、Understand、Educate、Stimulate、Transitionの頭文字を取っています。長いセールスレター向けの型です。
最初のQを「共感」と説明している解説を見かけます。ただしQualifyの意味は「条件に合う人かどうかを見極める」です。入口で読者を絞り、対象外の人には先に帰ってもらう設計になっています。残った人にだけ深く語るため、1通が長くなっても最後まで読まれます。
例文
記事を書いても問い合わせが増えない方に向けた話です。(絞り込み)
原因は本数ではなく、狙う言葉のずれにあることがほとんどです。(理解)
検索した人が何を知りたいかを先に調べると、書くべき見出しが決まります。(教育)
順番を変えるだけなので、公開済みの記事からでも直せます。(刺激)
まずは1本、キーワードを決め直してみましょう。(行動)
11. FAB法
FAB法とは、特徴、強み、得られる結果の順に伝える型です。Feature、Advantage、Benefitの頭文字を取っています。商品の説明で使う短い型で、営業資料や商品ページに向いた並べ方です。
多くの商品説明は、最初のFで止まっています。スペックだけを並べても、読み手は自分に何が起きるかを想像できません。特徴から強みへ、強みから読者の生活の変化へと、2回翻訳するのがFAB法の役割です。
例文
このノートパソコンはメモリを16GB積んでいます。(特徴)
複数のソフトを開いたままでも動きが重くなりません。(強み)
資料を並べて見比べる作業が、切り替えなしで進みます。(得られる結果)
12. PASTOR法
PASTOR法とは、問題、増幅、物語、変化、提案、反応の順に並べる型です。アメリカのコピーライター、レイ・エドワーズ氏が広めたもので、体験談を軸に商品へつなげます。頭文字の読み替えには幅があり、増幅をAgitation、物語をSolution、変化をTestimonialと置く解説も見かけます。
日本語のWebで使う場面は多くありません。物語を書き切るだけの文量が要るからです。noteの体験記のように、長い読み物の中で商品を紹介するときなら合います。
例文
記事を外注したのに、手直しで時間が消えていました。(問題)
何度も直すうちに、自分で書いたほうが早いと感じ始めます。(増幅)
あるとき、書き手に自社の言葉を一度も渡していなかったことに気づきました。(物語)
指示書を1枚作ってから渡すと、手直しは読み合わせだけで済むようになりました。(変化)
その指示書づくりから一緒に進めるご相談も受けています。(提案)
気になる方は、お問い合わせページからご連絡ください。(反応)
情報を並べるフレームワーク3つ
説得も行動喚起もせず、情報を分かりやすく置くための型が3つあります。読者に何かを決めさせるのではなく、探している情報へ最短でたどり着かせる並べ方です。
13. 逆三角形型
逆三角形型とは、重要な情報から順に置いていく型です。新聞記事の書き方として知られています。結論、詳細、補足の順に情報の重みが下がるため、下から削っても文章が壊れません。
お知らせやプレスリリースに向いています。読者が途中で離脱しても、最初の数行で用件が伝わるからです。文字数の制限が変わりやすい媒体でも扱いやすい型です。
例文
9月1日から、お問い合わせの受付時間を変更します。(結論)
平日の10時から17時までとし、土日祝のご連絡は翌営業日に対応します。(詳細)
現在ご相談中の案件は、これまでどおり進めますのでご安心ください。(補足)
14. 列挙型
列挙型とは、前置きのあとに項目を並列で置く型です。「〇〇5選」や「〇〇のコツ3つ」といった記事がこれにあたります。この記事も列挙型で作りました。
作るときに気をつけたいのは、並べる基準をそろえることです。たとえば「おすすめの会計ソフト5選」で、3つは料金の安さで選び、残り2つは機能の多さで選んでいたら、読者はどれとどれを比べてよいのか分からなくなります。この記事で15個を目的別の3グループへ割ったのも、比べる基準をそろえるためです。項目の数は、3つや5つ、7つと奇数にすると収まりがよくなります。
例文
記事の型を選ぶときに見ているのは、3つだけです。(前置き)
1つ目は、説得したいのか報告したいのかという目的です。
2つ目として、読者が答えを急いでいるかどうかを見ます。
3つ目は、書ける文章の長さです。
15. 時系列型
時系列型とは、起きた順や作業する順に並べる型です。手順の解説や、体験談、導入事例で使われます。読者が自分でなぞれるため、そのまま作業できる記事になります。
注意点は1つで、時系列に頼ると結論が最後まで出てこないところです。冒頭に「結果どうなったか」を置いてから順を追いましょう。手順の記事なら、先に完成形を見せてから始めると拾い読みにも耐えます。
例文
まず、狙うキーワードを1つ決めます。
次に、検索結果の上位10本を開き、見出しを書き出しましょう。
そのうえで、自社にしか書けない内容を1つ足して構成を作ります。
最後に、見出しごとにPREP法で中身を埋めれば完成です。
目的別のフレームワークの使い分け
ここまでの15個を、書く場面から引ける形へ並べ替えました。型の名前から入るより、今から何を書くかで引くほうが速いです。迷ったら下の表から選び、慣れてきたら組み合わせを変えていきましょう。
| 書くもの | 使う型 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 記事の見出しの中身 | PREP法 | 読者が答えを先に知りたいため |
| 記事のリード文 | PASONAの法則 | 悩みへの共感から入るため |
| LPやセールスレター | PASONAの法則 | 提案から行動までを1本で運ぶため |
| 記事末尾のCTA | AIDA | 短い文で行動まで運ぶため |
| 社内の報告 | SDS法 | 説得ではなく共有のため |
| 手順の解説 | 時系列型 | 読者がそのままなぞれるため |
| 商品ページ | FAB法 | 特徴を読者の変化へ翻訳するため |
| 修正依頼のメール | DESC法 | 責めずに要望を伝えるため |
1本の記事の中でも、場所によって型は変わります。リード文はPASONA、見出しの中身はPREP、末尾のCTAはAIDAという配分です。この3層で組むと、記事全体の流れが整います。
ライティングのフレームワークを15個覚えなくていい理由
15個を覚えても、実際に使う型は2つに落ち着きます。残りは名前と役割さえ知っていれば、必要になったときに調べれば十分です。型を増やすより、2つを使い込むほうが文章は速く整います。
記事の見出しの中身はPREP法
記事を開いた読者は、目次から気になる見出しへ飛び、その答えだけを探します。だから見出しの直下に結論を置きます。理由と実例で支え、最後にもう一度言い切りましょう。この並びを全部の見出しで繰り返すだけで、記事は読めるものになります。
600本の記事で使ってきたのも、ほぼこれ1つでした。教育や決済、エンジニア向けの媒体と、書いてきた記事のジャンルはばらばらです。それでも、見出しの中身の並べ方は一度も変えていません。型を増やすより、1つを毎回きちんと通すほうが仕上がりは安定します。
リード文とLPはPASONAの法則
リード文でPREP法を使うと、冒頭から結論を突きつけてしまいかねません。まだ悩みが言葉になっていない読者には早すぎます。だからリード文は、悩みへの共感から入るPASONAの並びへ寄せています。
LPも同じです。構成を組む段階でPASONAの法則に沿って骨を作り、そこへ中身を流し込みます。問題、親近感、解決策、提案、絞り込み、行動という6つの順に部品を置くと、何が抜けているかがひと目で分かります。
残りの13個は名前と役割だけ
DESC法もQUEST法もPASTOR法も、私はほとんど使っていません。文章が速くなるのは、型を覚えた瞬間ではなく、同じ型を繰り返し使って手に馴染んだときだからです。出番の少ない型は、名前と役割さえ知っていれば、必要な場面が来たときに調べ直せば足ります。
型を集めることと、文章が上手くなることは別です。1つの型を100回通した人のほうが、15個を1回ずつ試した人より速く書けます。まずはPREP法を、次に書く記事の全部の見出しへ通してみましょう。
AIにPREP法で書かせると起きる3つのこと
AIに「PREP法で書いて」と伝えると、型どおりの文章は返ってきます。ただし、そのままでは公開できません。「なぜなら〜だからです」が見出しごとに繰り返され、書かなくても分かる理由まで埋められ、根拠のない断定が例文に混ざります。指示を出した後の手直しまでが書き手の仕事です。
1. 「なぜなら〜だからです」が見出しごとに繰り返される
PREP法を指示すると、AIは律儀にRの部分を「なぜなら〜だからです」で書きます。1か所なら自然です。ところが見出しが10個ある記事では、同じ言い回しが10回並びます。
読んだときの手触りが機械的になり、一目でAIが書いたと分かる文章に仕上がります。型を守っているのに読みにくい、の正体はここです。人が書くときは、理由の入り方を毎回変えているはずです。「〜だからです」や「その理由は〜にあります」、「背景にあるのは〜です」と散らすだけで印象は変わります。
2. 書かなくても分かる理由まで埋められる
AIは型の枠を全部埋めようとします。理由の欄があれば、必ず理由を書きます。結果、「読者は答えを早く知りたいからです。なぜなら、読む時間が限られているからです」のような、当たり前を重ねた文が生まれます。
分かりきった理由は、書かないほうが読みやすくなります。PREP法のRは、埋めなければならない枠ではありません。読者が「なぜ?」と引っかかる所にだけ置けば足ります。私の場合、理由を丸ごと削る場面のほうが多いくらいです。
3. 根拠のない断定が例文に混ざる
型に流し込むと、AIは形をそろえることを優先します。中身の裏づけは後回しです。実際にChatGPTへライティングの型を尋ねたところ、AIDAの例文として次の4行が返ってきました。
ChatGPTの回答(そのまま)
AIがあなたの仕事を半分にします。(Attention)
毎日3時間の作業を自動化できます。(Interest)
残業ゼロの生活を実現できます。(Desire)
今すぐ無料で試してください。(Action)

「半分」も「3時間」も「残業ゼロ」も、根拠が1つも示されていません。型としては正しく並んでいるのに、中身は誇大広告です。AIは型を埋めるとき、数字を作ってでも埋めます。出力をそのまま公開すると、書いた本人が言っていない約束が記事に残ったままになります。
型どおりの文章をわざと崩す3つの手順
AIが書いた型どおりの文章は、意図的に崩してから公開します。手順は3つで、2つ目以降の「なぜなら」を別の言い方に変え、分かりきった理由を段落ごと削り、具体例を自分が見た事実に差し替えます。型を守り切るより、少し崩れているくらいが人の書いた文章です。
1. 2つ目以降の「なぜなら」を別の言い方に変える
原稿全体から「なぜなら」を検索します。2つ目以降が出てきたら、別の言い方へ置き換えましょう。「その理由は」や「背景にあるのは」、理由を先に言ってしまう形など、崩し方はいくらでもあります。
同じ作業を文末にも通します。「〜ます」が3回続いたら、3つ目を「〜です」や問いかけへ変えましょう。接続詞と語尾の2か所を散らすだけで、機械っぽさはかなり抜けます。AIっぽさの直し方は、AIっぽい文章を自然にする方法にまとめた通りです。
2. 分かりきった理由は段落ごと削る
理由の段落を上から読み、「これは言われなくても分かる」と感じたら削ります。PREP法のRを外しても、結論と具体例が残っていれば文章は成立します。
削る判断に迷ったら、読者の知識量で決めましょう。初心者向けの記事なら理由を残し、同業者向けなら削ります。型を守ることより、読者が知らないことだけを書くほうが優先です。書かなくていいことを書かないだけで、文字数は減り、密度は上がります。
3. 具体例を自分が見た事実に差し替える
AIが出す具体例は、どこかで読んだような一般論です。ここを自分が見た事実へ差し替えると、記事は一気に自分のものへ変わります。
材料なら手元にそろっているはずです。実際に試した手順や、クライアントから繰り返し聞かれた質問、うまくいかなかった作業がそれにあたります。数字を出すなら、自分で数えた数字だけにしましょう。AIが書いた数字は消します。作り話の数字を1つ残すだけで、記事全体の信頼が落ちてしまうからです。実際に使っているプロンプトは、AIライティングのコツで公開中です。
ライティングのフレームワークに関するよくある質問
最後に、ライティングのフレームワークについて検索されることの多い疑問へ答えます。
型はいくつ覚えればいいですか
2つで足ります。記事の見出しの中身に使うPREP法と、リード文やLPに使うPASONAの法則です。残りは名前と役割を知っていれば、必要になったときに調べられます。型の数を増やすより、1つを繰り返し使うほうが速く書けるようになります。
PREP法とSDS法はどう使い分けますか
相手を納得させたいときはPREP法、事実を短く伝えたいときはSDS法です。違いは理由を入れるかどうかにあります。ブログ記事や提案書はPREP法が向いていて、社内の報告やお知らせはSDS法が合います。
ブログ記事に一番向いている型はどれですか
PREP法です。読者は目次や見出しを拾い読みしながら答えを探すため、結論を先に置く並びが合います。記事全体へ当てはめるのではなく、見出し1つずつの中身に使いましょう。
型どおりに書いたのに読みにくいのはなぜですか
同じ言い回しが繰り返されているからです。全部の見出しで「なぜなら〜だからです」と書くと、機械が並べたような手触りになります。理由の入り方と文末の語尾を、見出しごとに変えてみてください。
ChatGPTに型を指示すれば記事は完成しますか
完成しません。型どおりの文章は返ってきますが、同じ接続詞の繰り返しや、根拠のない数字が混ざります。型の指示はあくまで下書き用で、崩す作業と事実の確認は人の仕事です。
セールスの型をSEO記事に使ってもいいですか
使えます。ただし記事全体へ当てはめると売り込み色が強くなります。リード文と記事末尾のCTAだけをPASONAやAIDAで組み、見出しの中身はPREP法で書きましょう。この配分が扱いやすくなります。
PREP法で理由を省いてもいいですか
省いて構いません。読者が「なぜ?」と思わない所に理由を置くと、当たり前の文が増えるだけです。理由は枠を埋めるためではなく、読者の疑問へ答えるために書きます。
まとめ|ライティングのフレームワークはPREP法から使い始めよう
ライティングのフレームワークは15種類ほどありますが、覚えるべきは2つです。記事の見出しの中身はPREP法で、リード文とLPはPASONAの法則です。残りの型は、名前と役割を知っておけば困りません。
型を増やすほど文章が上手くなるわけではありません。1つを繰り返し通し、慣れてきたら意図的に崩します。AIに書かせた下書きなら、繰り返しの接続詞を散らし、分かりきった理由を削り、具体例を自分が見た事実へ置き換えましょう。ここまでが書き手の仕事です。
まずは次に書く記事で、全部の見出しをPREP法へ通してみてください。
自社メディアの記事を増やしたいものの、手が回らない。そんなときは、キーワードの設計から執筆、公開後の更新までまとめてお引き受けしています。ハトロクスは自社サイトでも同じ手順を回しているため、うまくいかなかった部分も含めてお話しできます。

